フォーカシング・サンガ

フォーカシングとマインドフルネスを統合したフォーカシング・サンガを広めるためのブログです。

フォーカシング・マイトリー通信NO6

○絵天楽フォーカシングで気づく○

10月のマイトリー勉強会では、いくつかの絵天楽フォーカシングを行いました。どれも描画という行為そのものが、セルフフォーカシング的で、描きながら内側の暗在的なフェルトセンスと様々に対話しているのだなと感じられ、色を塗りながら気づきを様々に探っているのも感じられました。

一つは<竜宮城>というワークで、海の中の竜宮城のようなところをイメージして、そこにいるいろんな魚や生きものを描いて、そこに自分の様々な気がかりを、自由に置いていくワークです。クリアリング・スペース的なものです。

私は好きな熱帯魚やサンゴ、ウミガメ、イルカなど海の世界を自由に描いて、気になっていることを置いていきました。今までの取りあえず気がかりをその場に置いていくクリアリングスペースではなく、描画しながら丁寧に置くことで、気がかりも具体的な生きものに表されて、それを楽しんでいるように感じられました。出来上がって絵を眺めていると、気になることが、描いたもの全部に守られている感じが出てきました。気がかりの周りに纏わりついていた強張っていた不安のようなものが、緩んで薄くなっていく感覚がありました。不思議な体験でした。

もう一つは<家族参集>というワークで、こんな家族がいてくれたら、こんな家族であってくれたらなど、それぞれ思い描く家族のイメージを、どんなふうにでも自由に描いてみるワークです。人としては描きにくければ、他の生きものやモノ、イメージなどとして描いてもかまいません。

私は、早くに亡くなった父親を描くことを考えました。実際の父親像ははっきりしないので、何か別の生きものとかに託そうと思いました。動物をいろいろ思い浮かべ、次に出てきたのが鳥でした。小さな鳥ではなく、何か大きなワシやタカのような、大きく羽を広げて飛んでいる鳥。上空をゆったり飛びながら私を見守ってくれている鳥なら、描いてみたいと思いました。描き始めて、羽をどんどん大きくしていきたくなり、何重にもクレパスを重ねました。出来上がってみて、それまでの描けないと思って強張っていた感じが、少しずつ緩んでいってる感じがありました。こんな大きな羽の鳥のように見守ってくれる父を求めている自分がいたんだと、気づくことができました。私だけではなく、他の家族もそんな風に見守ってほしい思いも出てきました。だんだん身体の内側に温かい気持ちが湧きだすのが感じられました。 はじめる前は、描けないだろうと思っていたのに、今までの固定されたイメージをガラッとかえて違う視点から眺めてみた時、描き出せて、描いたらどうなるだろうという思いも出てきたことに驚きました。長年封印してきた重い思いを、少し軽くできた気がします。

 参加者の中には、長年きょうだいが欲しかった思いを描かれ、改めて家族の関係を見つめ直されていました。また現在の家族だけではなく、親族や祖先との繋がりを感じられて、イメージとして様々な色で表される方もおられ、現在や過去とも様々に繋がっていることを実感されていました。

 他にガーデニングという自然の植物を自由に描き、その中に気がかりを置いていくというワークも行いました。ある参加者の方は、青空とその下に一面の芝生を描き、真ん中に百合の花を一輪描かれました。「上に何ものっていない一面の芝生を描くことができて、とてもスッキリとした感じを味わえてよかった。絵で表す方が、言葉では言いにくい自分の感じを表しやすいし、フォーカシング初心者の自分にはわかりやすくてよかった。面白かった」と感想を述べられていました。

 

♡参加者の感想

海の中を描く<竜宮城>のワークは、現実から離れ非日常の世界をイメージすることにより、深層にあるまだ自分でも気づいていないことを表層化させやすくするのではないかという気がしました。絵の素質など全く無視し、誰が見てもそのようには見えないけれど、自分を表現した時、まるでアーティストような気になれる面白さがありました。

海の中で感じる光、生物、動き…心地よい、また不思議な感覚をもう少し味わいたいと思いました。その感覚を生かしてフォーカシングを進めていくと、面白いのではないかと思います。感覚を生かすと言うよりも感覚を持ったまま…かもしれません。描写はその感覚を繋ぎとめておく、TAEでいうとハンドルのようなものでしょうか。描写には、感覚を持ったまま安全で楽しく、サンガでもセルフフォーカシングとしても取り入れ易い要素が詰まっていそうです。

 

 

○今後の活動予定

例会日時  11月 3日(祝)13:00-17:00

例会場所 京都文教大学サテライトキャンパス伏見教室

 京阪伏見桃山駅より西へ徒歩5分、大手筋商店街西北側さらしなそば店2階

例会参加費 500円(資料代、飲み物付)

参加連絡先 フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com

      ☏090-3659-5299 (要申込み)

 

○次回フォーカシング・サンガの予定○ 

講師:土江正司先生(心身教育研究所所長、臨床心理士、フォーカシングコーディネーター)
日時:2018年 12月 15日(土) 13:00~17:00

 16日(日) 10:00~17:00

場所京都市伏見いきいき活動センター(近鉄伏見駅徒歩10分、24号線墨染め通り西北側)

参加費:一般9500円、協会会員9000円

申込み先:フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com

  メールにてお名前、ご住所、連絡先、所属、協会会員はNOを明記の上、お申込みください。