フォーカシング・サンガ

フォーカシングとマインドフルネスを統合したフォーカシング・サンガを広めるためのブログです。

フォーカシング・マイトリー通信NO.8 2018年12月

 

 
   

○フォーカシング・サンガ2日間開催できました!○

土江正司先生の京都フォーカシング・サンガは、12月で3回目となります。島根、岡山、兵庫、福井など遠くからも参集してくださいました。今回はじめての2日間ワークとなり、ヨガ、マインドフルネス瞑想、フォーカシングの他に絵天楽(アート)フォーカシングも取り組まれました。

絵天楽(アート)フォーカシングとは、様々なテーマに応じて描画しながら、セルフフォーカシング的に表していくものです。描いた後はサンガとなり、絵をシェアしながら感想を述べ合い、質問や感じたことを話すクロッシングタイムで、より気づきが深まります。描きながら内側の暗在的なフェルトセンスと様々に対話していることが感じられ、まだ言葉にならないものの手がかりを、描画することで探っていけるワークです。さらに他の方の意見が交差することで、思いがけない発見や気づきが得られます。サンガを広めるための勉強会であるマイトリー例会で、9月からアートフォーカシングを取り入れています。

 サンガ参加者から感想を発信していただきましたのでご紹介します。ありがとうございました。

 

◎参加者の感想「あの時に流せなかった涙の意味がわかったよ。」杉野奈美江さん

参加してきました。前回は今年の8月。そこでは溢れんばかりの想いに気付き、感動的な体験を得ました。今回は2回目でもあり、ややこ慣れた気分だったのですが…そうじゃなかった!! 最後の最後にやられました。そんな体験を書いていきますね。
 今回のサンガはファシリテーターの土江先生を入れて10名の参加でした。フォーカシングは1対1のペアですることがほとんどですが、サンガは複数名ですることに意味を見出だしたもの。大人数で緊張したり恐縮することもありますが、みなさんと体験を共有することで大きな安心感が生まれます。まず最初にしたのは描画ワーク。いくつかのテーマを挙げられてわたしが選んだのは、<温泉巡り>。自分のなかの気がかりをひとつひとつ温泉に例えて描写しました。自分のなかの問題を整理する、フォーカシングで言う、クリアリング ア スペースです。それをまずは4人のグループでシェア(クロッシング)しました。わたしの描いた温泉は4つあって、そのなかのひとつに、猫を描きました。オレンジ色の温泉であったかくくるまってる、先月亡くなった猫。亡くなった時、悲しい気持ちにはなったけど、泣けなかった。そしてそのまま、バタバタと日常は過ぎていってました。この事にどう向き合えばいいのか、告別式をしてもわたしのなかでは全然弔えてない気がしていました。その猫の絵を見てグループの方から、「気持ちよさそう」と言ってもらい、感謝の気持ちを述べてワークは終了しました。
 その次にしたのはみんなで輪になり、それぞれがフォーカサー、リスナー、オブザーバーの役割を担うサンガセッションをしました。わたしの気がかりは先程の描画ワークですっきりした気分になっていたので、傍観するオブザーバーに徹することにしました。それでも感動のドラマが展開し、聞いている自分のなかのフェルトセンスは忙しく動いて、躍動感ある時間を過ごさせていただきました。
 次はセルフフォーカシング。今回のサンガは冷静に終わりに向かうんだな、少し振り返りをしよう。…すると早速、猫の絵が浮かんできました。あー、あったかそう。土江先生は出てきた雑念はこどもだと思ってあげてって言ってたなー。そういや最後の日の夜、子猫の時みたいに甘えた声で鳴いてたな…。そう思った途端、恋しさが溢れて、わたしの胸全体があたたかくなりました。あ、切り離さなくていいんだ、わたしのなかに居てくれてるんだ。このことは、この場にいるみなさんにも伝えよう。セルフフォーカシングは終わり、最後に感想を言う時間になりました。わたしの番になり、描画ワークで描いた猫はわたしといっしょに居ることになりましたー、と発表して今日のサンガは一段落。したはずでした。その後に感想を言われた方に、わたしの名前を呼ばれました。「先程の描画ワークで猫ちゃんのこと気になってましたが、いっしょに居ると落ち着かれたので安心しました。」!! またまたわたしのフェルトセンスは突き動かされることになったのです。わたしはただ、猫の居場所を決めたことを報告しただけなのに。その方はわたしの描画ワークの時から気にしてくださって、フェルトセンスを追体験した上で共感してくださり、わたしのフェルトシフトを承認していただけました。更に追い討ちをかけるように土江先生までも、わたしの猫が成仏できたね、といちばん欲しかった言葉を掛けてくださいました。そしてサンガ全体が、わたしと猫のこれから歩んでいく花道を作るかのように、あたたかい眼差しを送ってくださいました。
 あの時に流せなかった涙の意味がわかったよ。今、流れてるのはありがとうの涙。これからも、よろしくね。
 おそるべし、フォーカシング サンガ。慣れない長時間の電車移動で身体は疲れてくたくただけど、
帰り道に心はずっとぽかぽかしてました。いっしょに参加してくださったみなさん、安心安全な空間を創ってくださった土江先生、今回も期待以上のイベントを主宰してくださった宮本さん。感謝しきれないほどの気持ちです。本当にありがとうございます。わたしのフォーカシングを巡る旅は、まだまだ続きそうです。

 

◎参加者の感想 「フルーツイメージフォーカシング/みかんの巻」畳谷佳代さん

トラウマを抱える人に対して気持ちをフルーツで表してみるという表現のレクチャーを受けました。今回予定されていたセッション外のワークでしたので、10分ほどのレクチャーでしたが、面白い発見がありましたのでご報告いたします。
 トラウマに拘らず自分をフルーツに例えてみてくださいと言われました。幼い頃、毎年冬になるとなんとも言えない良い香りと共に送られてくる、木箱の中でおが屑の中に埋もれるリンゴを思い出しました。が、土江先生は自分をフルーツに例えると…とおっしゃっていたので、少し自分自身の心を覗き問いかけ、私が答える順番が来たときには、何故か「みかん」と答えていました。なぜ「みかん」だったのかわからぬまま、その時は過ぎました。傷つき苦しむ心の様子を傷んだフルーツに例え、本当のフルーツは傷んだら元には戻らないけれど、思い描いたフルーツは元に戻ることができ、どのようにしたら元に戻るのか心に問いかけてみる…という、特にトラウマを抱える人への優しく触れるフォーカシングとしてレクチャーくださいました。
 私は、2日間のワークを終えたあともあの時なぜ「みかん」だったのかなぁと気になりセルフフォーカシングをしてみることにしました。みかんをイメージすると、あたたかい、いつでも手の届くところにある、手軽に食べることができる…次に傷んだみかんを思い浮かべました。
 ①枝にあたって、一部皮が茶色く変色したみかん…傷ついた皮を剥くと、実には影響なく甘く美味しいみかん
 ②皮と実がぴったりくっついているような皮の薄いみかん…注意しないと実を傷つけてしまいそうなくらい薄い皮。豊満に熟れひと粒ひと粒が充実している美味しいみかん
 ③皮も実もぐじゅぐしゅに柔らかくなって傷んだみかん
 ④カビの生えたみかん
 ③と④に対して、私は傷んだ実と皮を取り除くことにしました。ここから再生に向けてフォーカシングしてみます。すると私の掌で、傷んだ部分を取り除いたみかんを包むイメージが浮かび、再生したいとはっきり感じました。これは、私が目指す人への思いに重なり、またいつでも手軽に、手の届くところに…というみかんのイメージとフォーカシングを日常に生かしたいという思いに繋がるような気がして、とてもすっきりしました。思いが明確になるとよりその気持ちが強く感じられることも実感しました。自分自身驚いたのですが、ふりかえりの時間になぜか涙が溢れてきたこと、これも「みかん」への思いに繋がっている私がいるようです。

 

◎参加者の感想「なにかが確かに伝わって来て、なにかが生まれましたよ」J・Sさん

2日目の1コマ目、宮本さんの描画のワークで、私は<精霊の声を聴く>ワークを選び、様々な精霊について取り上げて描いた。その後のセッションでその絵を基にフォーカサーをさせてもらった。

描画の、縄文杉のような大木と、鬱蒼と草木が生い茂る深い山からは、すごい!と感動するような感じと、到底太刀打ちできないような底知れない怖さが感じられた。大木からは何か私に伝えてきている感じだけはするが、何を伝えてきているのか分らない。それはなに?なに?と、分からない自分が、もどかしいというか、焦っている感じもあった。そのような感じで始まったセッションだったが、「なにかが確かに伝わって来て、なにかが生まれましたよ」というピッタリ言葉に行き着いた。

 私はリスナーのフェルトセンスをもらって、進展できたし、フォーカサーをされる全ての方が、オブザーバーの感想によって、セッション後に気付きを広げ深めていかれるのを目の当たりにした。交差の効果をあらためて感じる。

 私は、マインドフルネスを体感したいという参加動機だったが、ワーク終了後に、又別の学びの場所で体験した。大きな全体の中に、小さな一つ一つの気付きを抱える、そんな感覚かなと今は感じている。 (J・S)

 

◎リスナー体験の感想 「縄文杉に伝えたい思い」宮本光代

アートフォーカシングで<精霊の声を聴く>というワークをされたJ.Sさんのリスナーをさせていただきました。フォーカサーが、縄文杉の大木と若木といのちの胎動のようなものを同時に感じられていた時、リスナーのフェルトセンスをリクエストされました。その時私の内側から、フォーカサーが様々に感じられたことを、そのまま縄文杉に伝えたい思いが沸々と出てきたので、それをお伝えしました。と同時に、何か熱いものが込み上げてきました。フォーカサーも涙ぐまれてて、その不思議さを語られたので、二人して、「不思議ですねえ!」と思いを共有するひと時がありました。

終わってからフォーカサーから、「返してもらった言葉で、進展したと思います。大木から何かを感じた。何を?と追及するのではなく、伝わった何かを確かに感じたよ。それによっていのちの胎動の感じを私は得られたよと伝え返せばいい。それでいいんだと感じられて、納得しました。」との言葉を受け取りました。縄文杉ととても大切な交流をされたその場に立ち会わせてくださったことに、感謝したい思いが沸き起こりました。

後日「底知れない怖さが感じられた」と言われてたことが気になり、セルフフォーカシングしていると、生命(いのち)に関わる仕事をしていたと言われてたのを思い出し、自分の出産体験を思い出しながら、生命が生まれることには必ず死が隣り合わせであることと関係しているように思えてきました。光と影のように、生命と死は隣り合わせ。今生きていることも、ほんとは死と隣合わせなのだと、気づきました。

 

○次回フォーカシング・サンガの予定○ 

講師:土江正司先生(心身教育研究所所長、臨床心理士、フォーカシングコーディネーター)
日時:2019年 3月 31日(日) 10:00~17:00

(3月30日 13:30~17:00 例会アートフォーカシング実施。下記参照)

場所京都市伏見いきいき活動センター(近鉄伏見駅徒歩10分、24号線墨染め通り西北側)

参加費:一般6500円、協会会員6000円

申込み先:フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com

  メールにてお名前、ご住所、連絡先、所属、協会会員はNOを明記の上、お申込みください。

<フォーカシング・サンガのブログ https://focusing-sanga.hatenadiary.jp/ >

 

○今後のマイトリー例会活動予定

 フォーカシング・サンガを広めるための勉強会を、月1回開催しています。マインドフルネスワークやフォーカシングワーク、アートフォーカシングなどに取り組んでいます。ご興味のおありの方はどなたでも参加できますので、気軽に訪ねてください。

例会日時 2019年1月19日(土)、2月10日(日)、3月30日(土) 13:30-17:00 

     3月30日は土江先生がスーパーバイズしてくださいます!!

例会場所 京都文教大学サテライトキャンパス伏見教室

 京阪伏見桃山駅より西へ徒歩5分、大手筋商店街西北側さらしなそば店2階

例会参加費 500円(資料代、飲み物付)(3月30日は1000円)

参加連絡先 フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com

      ☏090-3659-5299 (要申込み)