フォーカシング・サンガ

フォーカシングとマインドフルネスを統合したフォーカシング・サンガを広めるためのブログです。

フォーカシング・マイトリー通信NO.10  2019年3月

フォーカシング・マイトリー通信  NO.10   2019年3月

 
   

 リスナートレーニングを楽しく―-猫の手方式(=^・^=)!!

 以前からフォーカシングセッションの時に、周りの目が気になって、緊張感や失敗を恐れての不安感などが感じられて気になっていました。そこで、もっと気楽にタイムを取って、コーディネーターに質問やスーパーバイズが求められるように考えました。いつでも猫の手カードを挙げてタイムを求められる方式を試みます。猫の手タイムで交わされる質問やアドバイスは、メンバーにもきっと参考になるでしょう。もっと気軽にリスナートレーニングができるサンガを目指しています。そういう場を、サンガ=仲間で作っていけるように、ご協力をお願いいたします。

 次回サンガは、3月30日、31日です。30日午後は土江先生スーパーバイズのもとアート(絵天楽)・フォーカシングを楽しみます。残り若干名です! 一日参加可。(詳細は下記に)

 

体験過程と交差と意味の創造

2月17日に開かれた松江のフォーカシング・サンガに参加してきました。前日には、島根大学にて川瀬先生と土江先生による哲学カフェも開かれていたので、初めて参加してきました。テーマは「甘えって何?」。サンガ同様、哲学カフェでも、参加者の様々な体験過程を含めた議論が交わされました。川瀬先生のご報告によると、「人が甘えられる場というのは、自分を肯定してもらえる場、無条件に受け入れてもらえる場だろうということから、人には、そうした場に身を置くことで、安心できたり、生きる力を得られたりするのではないか」と。

翌日のサンガでも様々な体験過程が語られましたが、そこには親子関係のテーマが多く含まれていました。哲学カフェもサンガの体験過程も、甘えの視点から見ることで、人間行動の謎への理解が進み、新たな意味に気づくことができました。セルフフォーカシングしてみて、人には幾つになっても、甘えられる場や、甘えを受けとめてもらえる場が必要なのではないかと、感じました。

 

一致的応答

土江先生の「一心塾だより26号」に、次のような一致的応答についてのお話が掲載されています。

 

<一致的応答>

 相手の気持ちが楽になり、自然な変化が促される対話法として二つの態度があります。

 一つは相手の身になって聴く、共感的傾聴。もう一つは共感的傾聴を一区切りした後に、自分の心に湧き上がっていることを相手に伝えること。こちらの方は「一致的応答」と名前を付けておきます。自分の本心と一致した応答をするからです。フォーカシング・サンガではフォーカシングセッションにおいて共感的傾聴、クロッシングタイムにおいて一致的応答がなされるよう促されています。

ジェンドリンは「体験的応答」という1968年の論文でこう述べています。「私の反応は私たちの相互作用の一部である。それはクライエントに返さなくてはならないし、それによってクライエントが、相互作用の、今は私の側に起こっているその部分を次に進めることができる。もし私が反応を返さなかったら、私たちはそこで行き詰まってしまう。もちろん、私には自分の応答の仕方についての責任がある。つまり、私は応答の際、自分の反応をクライエントに正直に、反応を見える形で返さなくてはならないし、クライエントが私の中に起こしたことに対してさらに応答できるよう行動しなくてはならない。」<一心塾だより26号より>

 

今回の松江サンガでのセッションを、一致的応答という視点で振り返ってみました。

私がリスナーをしたセッションで、フォーカサーの方は、最近続いている身体のしんどさを感じられ、様々に表現してみられながらフェルトセンスを感じ、受けとめていかれました。その過程で詩や標語のように呟かれた言葉を、私は大事な言葉のように感じ、いくつか書き留め、その中から最後にピッタリ言葉を選ばれました。フォーカサーが、身体のしんどさが教えてくれていることに気づいていかれ、気づきの言葉が次々に語られる過程に感動したことを、すごく伝えたくなった自分がいました。体験過程は何一つ無駄なものはないんだなと感じ、お伝えしました。大事なことに気づかせていただいたセッションでした。

 

森羅万象の側から自己を修証する

サンガの最後に<アート(絵天楽)・フォーカシング>の提案があり、サンガの振り返りを、森羅万象を自由に描くことで表してみるという作業を行いました。私は松江の雄大宍道湖を描きたくなり、色鉛筆を無心に動かしました。描きながら、宍道湖は、大昔から沢山の人々や森羅万象の甘えを黙って受けとめてきているのではないかと感じられました。そして、アート(絵天楽)・フォーカシングそのものも、自由に描くことができるということで、甘えられるスペースであり、甘えを表出でき、クロッシングタイムで甘えを受けとめてもらえる大切な場であることに気づくことができました。だから私は何度も描きたくなるんだなと、ようやくその意味に気づくことができました。

アート・フォーカシングをはじめてされる方がおられ、はじめは絵が下手だからと尻込みされてましたが、上手下手は関係ないことなど説明して、自身のフェルトセンスのままにとお伝えすると、見事にフェルトセンスに任せて美しい色合いの風景を描かれ、自分でも驚かれている姿はとても感動的でした。

今回は哲学カフェとサンガの体験過程が交差したことで、新たな意味に気づくことができました。ジェンドリンのいう、「体験過程の推進が過去を新しいあり方で状況化し、そこから新しい意味が立ち現われ、それでもって人は過去を視るのである。」を実感できた旅でした。

暖かく迎えて下さった松江サンガの仲間の方々に、感謝の思いで一杯です。ありがとうございました。

 

 

 

 

○次回フォーカシング・サンガの予定○ 

講師:土江正司先生(心身教育研究所所長、臨床心理士、フォーカシングコーディネーター)
日時:2019年 3月31日(日) 10:00~17:00

(3月30日 13:30~17:00 例会アートフォーカシング実施。下記参照)

場所京都市伏見いきいき活動センター(近鉄伏見駅徒歩10分、24号線墨染め通り西北側)

参加費:一般6500円、協会会員6000円

申込み先:フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com

  メールにてお名前、ご住所、連絡先、所属、協会会員はNOを明記の上、お申込みください。

<フォーカシング・サンガのブログ https://focusing-sanga.hatenadiary.jp/ >

 

○今後のマイトリー例会活動予定

 フォーカシング・サンガを広めるための勉強会を、月1回開催しています。マインドフルネスワークやフォーカシングワーク、アートフォーカシングなどに取り組んでいます。ご興味のおありの方はどなたでも参加できますので、気軽に訪ねてください。

例会日時 2019年3月30日(土)13:30-17:00 (土江先生がスーパーバイズしてくださいます!!)

例会場所 京都文教大学サテライトキャンパス伏見教室

 京阪伏見桃山駅より西へ徒歩5分、大手筋商店街西北側さらしなそば店2階

例会参加費 1000円(資料代、飲み物付) (4月は500円)

参加連絡先 フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com