フォーカシング・マイトリー通信NO2 2018年6月
マインドフルネスを意識しながら、フォーカシングを学び合うグループ、
フォーカシング・マイトリー(友情や友愛を表すサンスクリット語)の通信です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
フォーカシングとマインドフルネスが統合されたフォーカシング・サンガを、松江で開催されている土江正司先生に、関西でもフォーカシング・サンガを広めていただこうと、今春から準備会兼自主勉強会をもちました。
心を高め合う仲間のことをサンスクリット語で「サンガ」といいます。フォーカシング・サンガは、円座になってフォーカシングを実践的に身につける場であり、仲間に聴いてもらうことで楽になることを目指す場です。その準備会の通信を5月から細々と発信していますが、その輪を広げようと、通信を他の方たちにも発信してくださる方々がいらっしゃって、少しずつですがうれしい輪が広がっています。ありがとうございます。土江さんも喜んでくださってます。土江さんのフォーカシング・サンガを、できれば季節ごとくらいに関西でも開催できればと願っていますので、この輪が広がっていくことに感謝いたします。
準備会の活動は、フォーカシングやマインドフルネスの様々なワークを楽しみながら、気づきを深めていこうと練習し合う場です。悩みの内容を具体的に言いたくない場合でも、気持ちの整理をすることはできます。静かに、心に感じられた「実感」に触れ、そこから自ら意味を見いだす体験を、ぜひ味わってみてください。皆さまのご参加をお待ちしています。
活動内容
5月の例会では、瞑想の時間の後に、身体の不調への気づきのワークを行いました。自分の身体に丁寧に注意を向け、気になるところに手を当てて、いわゆる手当をします。その体験のシェアリングをし、その後フォーカシングを行いました。
ある参加者の方が、その時のご自身の体験を語られ、通信へも発信してくださいました。
セッションの一例:「かっこ( )があることで言えた!」
(「」はフォーカサ―の言葉、<>はリスナーの言葉)
「今一番気になることがあるので、クリアリングスペースをしたいです。今ある気がかりは、大切なものなので、遠い所に置くのではなく、でも持ってると押しつぶされる。でも忌み嫌うものではない。何か浮いてるものに乗せて、紐を付けておきたい。遠くにいくと不安になるから。浮くもの、手が届く範囲で、何がいいかな、・・・雲に乗せてみる。綺麗にラッピングして、雲の上に乗せた。漂っている。手の届く範囲で・・・」
<乗せてみていかがですか?>
「背筋が伸ばせられるようになった。それまでは首がこう前に曲がったままで伸びなかった。」
<その雲に乗せたものは、何か言ってくれてますか、それともこちらが声をかけたい感じでしょうか?>
「声をかけたい。…そんなに気にしなくていいと。」
<そう言ってみましょうか。>
「そう言うと、お互いがそう言っていることに気づいた(笑い)。」
<お互いが言ってるんですね。>
「そう。そんなに気にしなくてもいい、しゃーないもん! ( )かっこをつけて。( )が必要。くくれるものが必要。(しゃーないもん)かっこがないと、不安。」
<かっこは必要なものなんですね。>
「そう。それは初めて気づいた。今までも何回も出てきたテーマだけど、かっこはなかった。」
<しゃーないもんという言葉には、何か溢れるような思いが入っている感じですね。>
「かっこがないと溢れ出す。だからくくれるものがいる。」
「自分がそう追い込んでいた。こうして距離をとれると気づくことができる。」
<大事な言葉がいろいろ出てきましたが、ピッタリ言葉としては、どれがいいでしょう?>
「そんなに気にしなくてもいい、(しゃーないもん)。」
<なるほど、紙に書きましょう。(書いたものを渡す)ピッタリ度は何%くらいでしょうか?>
「78%。かっこがあることで言えた!」
<ピッタリ言葉を見られてて、身体の感じはどんなでしょう?>
「身体が楽になった。今まで縮こまってしまっていたものが、背筋が伸びた。」
<よかったです。かっこという今まで単なる記号と思っていたものにも、すごく意味があったんですね!>
「 そうなんです。初めての経験です!」
<フォーカサーの感想>
(しゃーないもん)については、本当にしかたのないこと「解決」などは、望めることもなく、自分の力では何ともならないこと。ただただ、重い感じにとらわれている中で、しかたがないから、 (しゃーないもん)と思い聞かせるのですが、やはり身体は、言うことをきかにゃい!
( )に「しゃーないもん」を入れた感じは、その後も、助けになっています。( )に入れることで、現在の自分なりの向き合い方を身体が見つけた。そんな感覚かな? とても内容の濃い時間でした。
「一心塾だより」ご紹介
今回は土江さんが発信されている「一心塾だより19号」にある、次の文章をご紹介させていただきます。
生きる意味と心理主義~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「心理主義」という言葉があります。「心」というものがあって、それがうまく機能していないからいろいろ症状が出るのだという考え方で、精神分析を始め、多くの精神療法がこの考え方に則っています。
しかしこの考え方には落とし穴があります。心のことを考えすぎると、心が不調になって来るのです。睡眠のことを考えだしたら眠れなくなっちゃったというのと同じです。『夜と霧』の著者で精神医学者のヴィクトール・フランクルがこのことを強調していました。
フランクルは、生きる意味を見出すことによって心が健康になることを見出し、「ロゴセラピー」を創始しました。「心」にこだわるより、前向きになれることに向き合っていれば、勇気も力も出てきます。また、今直面しているいろいろな問題にも、きっと生きる上での意味があると捉えるようにすれば、何か感じが変わるのではないでしょうか。
ところでフォーカシングは心理主義でしょうか。心の“中”に何か隠れたフェルトセンスを探し出そうとすれば心理主義に陥るかも知れません。ジェンドリンは、フェルトセンスは私たちとあらゆる事柄の“間”にあると言っています。そしてフォーカシングはその事柄が私たちに与えている暗黙の意味をひもといてくれます。ロゴセラピーとフォーカシングは良いコンビだと思います。
土江正司
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
5月の例会でのフォーカシングセッションでは、ジェンドリンのいう、「フェルトセンスは私たちとあらゆる事柄の“間”にある」ということを、強く感じさせられました。フォーカサーのピッタリ言葉の中には、万感の思いが込められていることが、こちらに伝わってきました。
今後の活動予定
例会日時 7月15日(日)13:00-17:00
9月 2日(日)13:00-17:00
例会場所 京都文教大学サテライトキャンパス伏見教室
京阪伏見桃山駅より西へ徒歩5分、大手筋商店街西北側さらしなそば店2階
例会参加費 500円(資料代、飲み物付)
参加連絡先 フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com)
☏090-3659-5299 (要申込み)
次回フォーカシング・サンガの予定(内容はチラシ参照)
講師:土江正司先生(心身教育研究所所長、臨床心理士、フォーカシングコーディネーター)
日時:2018年 8月 5日(日) 10:00~17:00
場所:京都市伏見いきいき活動センター(近鉄伏見駅、竹田駅徒歩10分、24号線墨染め通り西北側)
参加費:一般4500円、協会会員4000円
申込み先:フォーカシング・マイトリー担当宮本(focusing.sanga@gmail.com)
メールにてお名前、ご住所、連絡先、所属、協会会員はNOを明記の上、お申込みください。